09.3.5(木) PM6:00~
鶴橋・とらや

 弊社の統括本部長田宮がシンガーソングライター「リピート山中」さんと対談しました。
 リピート山中さんは、「ヨーデル食べ放題」で2000年夏に大ブレーク。この歌は当時、焼き肉食べ放題店ならほぼ間違いなく店内で流れていたので、ご記憶の方も多いのでは?

*以下、田宮=田   リピート山中さん=リ

田:リピートさんの活動履歴や歌のテーマを見ていくと、「家族、自然、エコライフ、介護、医療」など、ロハス志向が強いように感じます。これには何か理由があるんでしょうか?


リ:これはもう今まで出会った人との縁というしかありません。
 たまたま出会った人たちが健康志向であったり、僻地医療に取り組んでいらっしゃったり、山登りを趣味にしていらっしゃったりという関係で、そういう場にお呼びいただいて、一緒にあれやこれやとやっている内に、いつの間にかマラソンにはまりこんだり、往診ライブをしたり、山小屋ライブをしたりという活動につながっていきました。
 たとえば、マラソンなんて高石ともやさんんとの出会いがなければゼッタイにやっていないでしょうね。
 フォークシンガーの元祖と呼ばれているである高石さんは、20代の頃アメリカひとり旅をして、日本に「ジョギング」という分野を持ち込んだ第一人者なんですよ。68歳を迎える今でも、フルマラソンを4時間前後で完走しちゃいますからね。
 その高石さんと15年ほど前に出会いまして、私に「小手先の歌じゃダメだ。体力を付けないと人の心を揺り動かす歌は歌えない。歌は体育系なんだ」と話しながら、ジョギングシューズをくれたんですよ。
 当時は若かったけど、今よりもっとポッチャリしていて、もう「メタボまっしぐら!」って感じだったので、フルマラソンを完走できるようになるとは夢にも思っていませんでした。


田:ジョギングを始めて何か変わりましたか?


リ:運動を習慣づけていくと、「無駄食い」をしなくなるんですね。
 ダラダラ生活していると、ダラダラと間食しちゃうんですが、メリハリの効いた生活をしていると、無駄食いやドカ食いをしなくなるんですよ。


田:医療関係の歌はお医者さんとの出会いから?


リ:そうです。
 「ヨーデル食べ放題」の歌を聞いてくれた山口県の医者さんから、「自分の診療所の歌を明るく面白く作ってくれないか」と依頼が来たんです。
 わたし、病院の事なんてまったく知りませんので、とりあえず取材に行かせて下さいと返事して交流が始まったんです。


田:医療の現場を直接見てきたんですね?


リ:医療の現場と言っても、都市部じゃありませんよ。山口県の過疎の村なんです。
 その先生は、親子三代にわたって地域で診療所を運営なさっているんです。
 交通手段がなくてなかなか病院に来られない高齢者の自宅を、積極的に往診なさっていました。
 ひょんな事から私も先生について往診に行き、患者さんの枕元で歌を歌いました。
 ある日、末期がんで余命幾ばくもないと診断されていたおじいさんの家に行き、祭りの歌を歌いました。するとそのおじいさんは寝たまま腕を頭の上に上げて、踊ろうとするんです。
 それを見ていた家族らはびっくりするやら、喜ぶやらで、私までうれしくなりました。
 2週間後、そのおじいさんが「いよいよダメだ」という知らせを聞いて、再度ご自宅を訪ねました。もう意識はなく、痛み止めでなんとか安静を保っているという状況でした。
 私は前回と同じように枕元に正座して、祭りの歌を歌いました。
 すると今回もおじいさんは目を覚まし、踊る仕草をされたんです。それから口をもごもご動かして、お孫さんにビールを持ってこさせました。私に「ビール出してやりなさい」と言ったそうです。せっかくですから私はおじいさんの枕元でグイッと1杯飲み干しました。もちろんおじいさんはビールを飲めるような状況でありませんでしたので、私一人での「乾杯」となりました。
 そのおじいさんは5日後に亡くなられました。


田:終末期の医療、高齢者の医療、僻地の医療など、いま日本が抱える医療問題の現場を実体験なさった訳ですね。


リ:そういう体験を経て、診療所の歌を作らせていただきましたし、「往診ハラショー」という歌のもとにもなっています。
 今でも山口県では、その先生の主催の「リピート山中コンサート」が、地元のホールで毎年夏に行われています。2006年には在宅医療をテーマにしたコンサートで永六輔さんと共演させていただきました。
 「往診ハラショー」が、僻地で高齢者医療に取り組んでいらっしゃる先生方を応援できるような歌になれば幸いです。


田:「頑張れ!スイゾウちゃん」という歌も面白いですね。この歌を作ったきっかけは?


リ:「頑張れ!スイゾウちゃん」も思い入れのある曲なんですよ。
 糖尿病の専門医がいらっしゃって、この先生のクリニックで糖尿病患者向けの調理教室を開催しているんですが、そこに呼ばれて食事会の後に歌うことになりました。
 私は前日に現地入りして、先生とあれやこれや話していたんですが、糖尿病と膵臓の役割について、先生が色々教えて下さいました。
 私が、「やっぱり五臓六腑は大事にしないといけませんねぇ」と言ったとき、先生が「うん?たしか膵臓は五臓六腑の中に入っていなかったぞ」と言いながら、事典かなんかを調べたんですよ。すると、やっぱり膵臓は五臓六腑に入っていない。
 心臓、肝臓、腎臓、膵臓、脾臓で五臓だと思っていたんですが、膵臓ではなく「肺臓」が入るらしいんですよ。膵臓だけが除け者あつかいですよ。
 これでは膵臓がかわいそうだし、糖尿病を啓蒙するためにも膵臓を応援するような歌をつくろうと思ったんです。
 膵臓を大事にしましょうという思いが、ストレートに伝わるよう、スイゾウちゃんのキャラクターも私が描きました。普段意識されることのない膵臓という臓器ですが、この歌で一人でも多くの方が、膵臓を大事にして、Ⅱ型糖尿病を予防できたらいいなと思います。


田:糖尿病は、40歳以上であれば誰がなってもおかしくないような時代ですからね。
 だから糖尿病は国民病だなんて言われますよね。


リ:糖尿病は痛くも痒くもないんだけど、後からやってくる合併症が深刻で怖い。
 網膜症で目が見えなくなったり、腎症で人工透析が必要になったり、神経障害で手足がしびれたりと・・・


田:ご自身は、健康維持のためにどんな取り組みを?


リ:早起きが一番ですね。夜の間に浄化された空気を、朝一番に胸一杯吸い込むと、体の内側から清々しくなるんです。朝の空気には体内の浄化作用があるようです。
 朝早く起きてそれでおしまいではなく、その後に歩くことですね。
 早起きと朝のウォーキングを実践中です。それと、食事時にドカ食いしないこと。これで完璧です。
 夏には三千メートル級の山に登って、山小屋コンサートなんかもやっていますよ。


田:フルマラソンにも何度か出場しているんですよね?


リ:ホノルルマラソンは2003年以降参加できていません。毎年行きたいんですけどねぇ。
 過去の自己最高タイムは4時間35分です。


田:フルマラソンとなると、かなり前から準備するものなんですか?


リ:6ヶ月は準備したいですね。私の場合は、一日に7km、週に3日走って調整しました。


田:一回7kmぐらいの練習量で、フルマラソンの42kmを走りきれますか?


リ:できます。ただし、月に一度は10kmか20kmぐらい走るべきですね。
 ジョギングは無理なく、ゆっくりと、自分のペースでやってこそ体にいいんです。競走は不健康ですよ(笑)
 フルマラソンでも一定のペースで、止まらず・歩かず・焦らず走りさえすれば、4時間台でゴールできます。


田:これからの活動の方向性とか、目標というものはありますか?


リ:今年は紅白歌合戦に出てみたいですね。
 家族全員で口ずさめる、そんな歌を広めていきたいんですよ。昔はそんな歌がたくさんあったのですが、今は通信機器が多様化して各個人がテレビ、ラジオ、携帯、アイポットなんかを占有しているので、茶の間にみんなが集まって、同じ話題や歌に関心を寄せることがめっきり減ってしまいましたからね。
 そういう意味で、紅白歌合戦に出たいなぁと思うんです。




田:ぜひ家族みんなで口ずさめる歌を作って広めてください!


リ:活動の方向性としては、まず自分自身が健康でいて、元気と健康を日本中に広げて行きたいと思っています。
 暗~い顔して深刻に悩むより、ワハハと笑って、「なんとかなるさ!」って生きていくことの方がいいじゃないですか。笑顔は周りの人も幸せにしてくれるし。
 私としては、テレビで引っ張りだこになるより、人々の心の中にどっしりと存在するような歌い手になりたいです。マスコミで使い捨てられるより、人間同士、生の接触で私の思いを受け取ってほしいし、皆さんの気持ちを感じ取りたいと思います。
 それで少しでも社会の役に立てれば望外の喜びです。


田:大衆の中にしっかりと根を下ろすための地道な活動が続くわけですね。
 リピート山中さんの公演を一度でも見たら、間違いなく魅了されてしまいますよ。私が保証します。
 これからもご活躍を期待しています!


リ:ありがとうございます。




「頑張れ!スイゾウちゃん」の歌詞はコチラから

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<歌詞>

頑張れ!僕らのスイゾウちゃん!
五臓六腑にさえ はいれなくても
おまえなしでは おまえなしでは この世はちょっと生きづらい

糖尿なんて人ごとですと たかをくくって暮らしていたら
音も立てずに 音も立てずに ほらオイラのすぐそばに
食べ過ぎなんです 栄養過多です おまけに運動不足です
スイゾウちゃんは 今の時代になくてはならない臓器なんです

頑張れ!僕らのスイゾウちゃん!
五臓六腑にさえ はいれなくても
おまえなしでは おまえなしでは この世はちょっと生きづらい

スイゾウちゃんはインスリンを出せる たったひとつの臓器です
インスリンという奴は血糖値を下げてくれる
たったひとつのホルモンなんです
とり過ぎた栄養はブドウ糖に変わって 血糖値を上げて困らせる
スイゾウちゃんはたった一人で ありあまるブドウ糖に四苦八苦

頑張れ!僕らのスイゾウちゃん!
五臓六腑にさえ はいれなくても
おまえなしでは おまえなしでは この世はちょっと生きづらい

けれども疲れた もうグロッキーだ スイゾウちゃんがねをあげた
インスリン出すのをちょっとやめたら たちまちオイラも糖尿病
それでもスイゾウちゃんをいじめる暮らしを
やめなきゃコワ~イ合併症
糖尿病神経障害・網膜症・腎症などなど
そうなる前に 生活改善

頑張れ!僕らのスイゾウちゃん!
五臓六腑にさえ はいれなくても
おまえなしでは おまえなしでは この世はちょっと生きづらい