糖尿病治療の一環としてベジファーストとは?

「野菜を先に食べて、主食(ごはんやパン)を後に食べる」という食べ方の工夫です。順番を変えるだけで、食後の血糖値の上昇を抑える効果があります。

◆なぜ効果があるの?
主な理由は以下の3つです。

① 食物繊維が糖の吸収をゆるやかにする
野菜に多く含まれる水溶性食物繊維は、胃の中でゲル状になり、糖質の吸収を遅らせてくれます。その結果、血糖値の急上昇(食後高血糖)を防げます。

② インスリン分泌のタイミングを整える
野菜やたんぱく質を先にとることで、インクレチンという消化ホルモンの分泌が促進され、インスリンが適切に分泌されやすくなるとも言われています。

③ 満腹感が得られて食べすぎ防止に
野菜を先に食べることで咀嚼回数が増え、満腹中枢が刺激されて、結果的に主食の量を抑えられる傾向があります。

🍽実践のポイント
食べる順番の基本

1、野菜(食物繊維)

2、肉・魚・豆腐など(たんぱく質・脂質)

3、ご飯やパンなど(糖質)

◇野菜の量:
1食あたり 生野菜なら両手1杯分、加熱野菜なら片手1杯分が目安です。

ドレッシングや調理法:
脂質や糖分の多いドレッシングは控えめに。オリーブオイル+酢などシンプルなものがおすすめ。

🔬実際の研究データ(例)
2015年に日本の研究チームが発表した結果では、「野菜→肉→ご飯」の順に食べた場合、食後の血糖値が30~40%低下したという報告もあります(糖尿病患者対象)。

✅注意点
野菜だけでなく「タンパク質」も一緒に早めに食べるとより効果的です。

野菜が少ない食事(例えばパンとジュースだけの朝食)では効果が出にくいので、常に野菜を添える工夫が必要です。