女性の“やせすぎ”が新たな健康課題に!
1、やせすぎを「新たな疾患」に位置づけ
・日本肥満学会は2025年4月に「女性の低体重・低栄養症候群(FUS)」という概念を提唱し、やせすぎに伴う健康障害を新たな疾患として扱う方向で対応を強化しています。低栄養状態がもたらす生理・代謝の異常に着目しています。
2、実情:若年女性の低体重の実態
2023年の国民健康・栄養調査によれば、BMI 18.5未満の低体重の女性は、20代で約24%、30代で約18%に達しています。先進国の平均が5%以下であることを踏まえると、日本女性における低体重率は非常に高い水準です。
3、やせすぎがもたらす主な健康リスク
生理・ホルモン系:
女性ホルモンの分泌低下により無月経や排卵障害、不妊につながるケースも。
4、甲状腺・代謝:
低T3症候群(疲労感・寒気)、血糖調整障害などのリスクあり。
5、精神・自律神経:
起立性低血圧、不整脈、うつ・不安・不眠など精神症状を併発する例も報告。
6、骨・将来リスク:
骨密度の低下により将来の骨粗鬆症・骨折リスクが上昇。若いうちに適切な体重がないと中高年以降深刻な影響に。
7、心理的・社会的背景
思春期に女性らしい体型への生理的変化を“太った”と誤認する傾向が強い。
SNSやアイドル文化、美容基準により「痩せ=価値」とする意識が固定化されやすい。