蚕を飼育するためのポイントとコツ!

蚕(かいこ)を健康に育てるには、環境管理とエサ管理がポイントです。
蚕を飼うための基本条件

  1. 温度と湿度の管理
    ・温度:25~28℃が最適です(20℃以下では成長が遅くなります)。 ・湿度:60~70%を保ちます。乾燥すると脱皮がうまくできず、カビが生えやすくなります。
    → 濡れタオルを近くに置く・霧吹きを軽く使うなどで調整します。
  2. 清潔な環境を保つ
    ・蚕は非常にデリケートです。
    → フンや食べ残しの桑を毎日取り除きましょう。
    ・飼育箱や飼育マットを毎日軽く掃除することで病気予防になります。
    ・通気性の良いケースやザルの上に紙を敷くのもおすすめです。
  3. エサ(桑の葉)管理
    ・新鮮な桑の葉が必須。しおれた葉や汚れた葉は避けます。
    ・幼虫期はやわらかい葉、成長するにつれて厚めの葉を。
    ・葉は細かくちぎって与えると食べやすいです。
    ・桑が手に入らない時は、市販の「乾燥桑粉末」や「人工飼料」も使えます。
  4. 成長段階に合わせた飼育
    ・蚕は「5齢虫」まで脱皮を繰り返します。
    成長段階 特徴         飼育のコツ
    1~2齢・・・ 小さくて繊細     清潔第一。細かく刻んだ葉を。
    3~4齢・・・ よく食べて急成長   食べ残しが出ないよう量を調整。
    5齢 ・・・ 繭を作る前の時期    桑を多めに。動きが鈍くなったら繭作りの準備。
  5. 繭をつくる時期
    ・蚕が桑を食べなくなり、頭を上げて動き回るようになったら「上蔟(じょうぞく)」のサイン。
    ・そのとき、わら・紙くず・段ボール片などを入れてあげると、繭を作りやすくなります。
  6. 病気を防ぐために
    ・手をよく洗ってから触る。
    ・湿気が多すぎると「白殭病」などが発生するため、通気をよくします。
    ・1箱に詰め込みすぎない(密度を減らす)。
  7. 観察のポイント
    ・食欲や動きがいつもより鈍いときは要注意。
    ・成長記録をとると、温度や餌量の調整に役立ちます。

◆蚕は「人間が完全に家畜化した唯一の昆虫」といわれます。
野生では生きられないほど人に慣れており、環境のわずかな変化にも敏感です。
だからこそ、愛情をかけて飼うと見違えるほど立派な繭を作ります。