機能性表示食品、どんな制度?

■ 機能性表示食品、どんな制度? トクホ・栄養機能食品に続く、企業責任で効果明示

食品の健康への効果を、国の審査を経ずに事業者の責任で表示できる新しい制度が来年から始まります。消費者庁が草案を発表し、広く意見を募集中です。どんな制度が検討されているのでしょうか。

 Q 「健康によい」という食品は今もたくさんあるような気がするけれど?

 A 現在、体への効果を表示できる食品は、特定保健用食品(トクホ)と栄養機能食品の二つに限られる。トクホは商品ごとに審査し消費者庁が許可したもの。栄養機能食品はビタミン・ミネラルの計17種類に限り、その成分を一定量含む食品に効果を表示できるもの。それ以外の健康食品はよく見ると効果を具体的には表示していない。「すっきり」「○○が気になる人へ」などの表現で体によいという印象を与えるけどね。

 Q 新制度はどこが違う?

 A トクホ、栄養機能食品に続く制度で、「機能性表示食品」と仮に名付けられている。機能性とは、体への効果のことだ。科学的に体に効く成分がはっきりしていて、なぜ効くか仕組みもわかっており、効果があると確認できる場合、例えば「鼻の調子を整える」「免疫機能を強化」といった言葉で表示できる。

 Q 「科学的」って?

 A 商品を実際に人が食べた結果、効果が認められたという実証データか、成分の有効性を立証した学術論文が十分にあることが求められる。

 Q 安全性の確認は?

 A これまで日本で食べてきた経験があり、健康問題が起きていないものでなくてはならない。サプリメントなどは通常の食品に比べて特定の成分を多く含んでいるから、量の違いも考えに入れて確認する必要がある。

 Q 有効性も安全性も、判断するのは企業なんだよね?

 A そう。判断に必要な条件は消費者庁が示すけれど、それを満たしているかどうかの審査はしない。ただし事業者は、発売60日前までに製品の情報を同庁に届け出る義務がある。成分や含有量、機能性表示の内容、有効性や安全性の判断の根拠になったデータなどだ。同庁はこれをインターネットで公開するから、誰でもチェックできる。

 Q でも、専門的なことは分かりにくそう。

 A 一般の消費者が理解しやすいよう、かみくだいて説明した資料も届け出て、公開される。

 ◆生鮮食品にも

 Q 野菜や果物も、機能性を表示できるの?

 A 新制度は食品全般が対象で生鮮食品も含まれる。農林水産省は表示できそうな事例として、温州ミカンに含まれる成分β―クリプトキサンチンを挙げている。色素の一種で女性の骨の健康を保つ効果が期待されるんだ。効果を証明するデータを集めて届け出れば、ミカンの包装に「骨の健康を保つ」と表示できるようになるだろう。ただし生鮮食品は産地や収穫時期などの違いで成分の量が変動する可能性がある。必要な量などの規格や分析方法などは今後発表されるガイドラインで明らかにされる。

 Q 実際に販売される時にはどんな表示がされるの?

 A 機能性だけではなく、情報提供と注意喚起のため、たくさんの項目の表示が義務づけられる。1日摂取目安量、栄養成分、事業者の連絡先、届け出番号に加え、食べ方やバランス良い食生活を普及啓発する文言も必要。病気の診断や治療を目的としないこと、薬を飲んでいる人は医師や薬剤師に相談して使うこと、体調に異変があったらすぐやめて医師に相談することも注意喚起する。 

   機能性を表示しているのと同じ面には、「国に評価を受けたものではありません」という注意書きをつける。生鮮食品もほぼ同じ項目を容器や包装に表示する。売り場のポップや看板に書くだけではだめなんだ。

 Q 審査がなくても健康被害を防げるのかな。

A 情報収集を強化する方策を盛り込む。事業者は消費者からの相談を受ける窓口を設け、保健所や消費者庁への連絡体制を整える。行政機関も、消費生活センターの相談を強化すると言っている。

 Q 販売はいつから?

 A 消費者庁は遅くとも来年3月末には制度を始める予定。届け出などの手続きを経て、早ければ6、7月には店頭に並ぶ見通しだ。

 (編集委員・大村美香)

2014年9月17日 朝日新聞デジタル