蚕飼育の注意点

蚕(かいこ)を飼育する際には、健康に育てて良質な繭を得るために、いくつかの注意点があります。以下に主なポイントをまとめます。


1. 温度と湿度の管理

  • 温度:蚕の成長段階によって適切な温度が異なります。
    • 孵化直後~2齢:25〜28℃
    • 3〜4齢:24〜26℃
    • 5齢:23〜25℃
  • 湿度:60〜75%が理想。湿度が高すぎると病気の原因になり、低すぎると脱皮に支障が出ます。
  • 温湿度計を使い、常に安定した環境を維持しましょう。

2. 清潔な環境の維持

  • 蚕は非常にデリケートな生き物です。
  • 飼育容器や床(敷紙)はこまめに掃除・交換する。
  • 飼育場所には風通しをよくし、カビや雑菌の繁殖を防ぐ。

3. 桑の葉の質と与え方

  • 新鮮で農薬のかかっていない桑の葉を使用。
  • 葉の硬さや大きさも、成長段階によって合わせる(幼齢期は柔らかく小さい葉)。
  • 与える回数は、1日4〜6回が理想。食べ残しは早めに取り除く。

4. 脱皮時の配慮

  • 脱皮(眠)中は、動かしたりエサを与えたりしない。
  • 眠の時期には、桑の葉を与えず、静かな環境を保つ。

5. 病気と対策

  • 主な病気:微粒子病、細菌病、真菌病など。
  • 病気の蚕を見つけたら、速やかに隔離・処分する。
  • 飼育器具のアルコール消毒や熱湯消毒も効果的。

6. 繭作りのサポート

  • 終齢になると繭を作るために動き始めます。
  • 清潔な繭作り用の空間(まぶし)を用意する。
  • 十分なスペースを与えると、美しい繭を作ります。

7. 光と音への配慮

  • 強い光や大きな音は蚕にストレスを与える。
  • 静かで薄暗い場所で飼育するのが望ましい。